春の別れ/まどろむ海月
 
触れるのは


約束された

「いつか…」








  ? 光の指


水の花が 青空に咲き
あなたの波紋に ほころんだ


時は優しさに洗われて
思い出を柔らかに染める




 遠い島に遺してきた
 憧れが呼びかけるが


 昨日の風は
 哀しみの迷路に
 とまどうばかり





春は微笑みを 地平に奏で
野にも花畑にも 光の指が舞う


 鳥よ
 あたたかな季節に包まれて
 君はまっすぐに飛びなさい


 若い命が導く
 明日の窓の
 彼方に





         







戻る   Point(5)