春の別れ/まどろむ海月
{引用=
? ためらう水紋
しぐれる春
名残りの花に
しずくしたたり
風もよう 波もよう
光さすらひ 想いまよひ
水紋 水紋 水紋 水紋 …
繰りかえし くりかえし
もどるも ゆくも
あたたかなはるのなかで
? いつかのティータイム
珊瑚礁の光のかなた
陽炎のなかの午後
シャム猫の手足の
白いテーブルに
白い椅子
かぐわしい匂に酔ひ
甘く温かい流れが
身体の奥に届いて
わたしはほっと
息をつく
透明なあなたの
ピアノのそよぎが
耳に触れ
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