ドーナッツ/ホロウ・シカエルボク
落ち葉が山ほど積もっている
処理する術のない戦争被害者みたいに見える
コンバット・マーチを口笛で吹くと
一時間ばかり偏頭痛に悩まされた
アスピリンを飲んでベッドに横たわると酷くジメついた夢を見た
それがどんな夢だったかはいまでは思い出せない
夜中に目覚めて最初にしたことは
落ち葉をひとつ残らず下にはたき落とすことだった
さようなら過ぎ去った日々よ
上書き更新程度の明日のためにお前に別れを告げよう
それから朝までは少しも眠れなかった
白んでゆく空を見てると人生は終わるのだという気分になる
どこかの屋根の上で二羽の小鳥が朝の喜びをさえずりあっていて
それは下手なラブ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)