幽霊/salco
さふさ生えて来て0歳児は初潮を見る
日曜日は、そんな感じ
6年生の時、勉強机の所でパンツを下ろし、ラジオから流れて来た「石狩挽歌」に感動しながら
生えて来た金色の産毛をまじまじ見ているのを、間借り人の松崎さんに2階の窓から見られた
高1の冬休みバイトした割烹店で酔客の忘れた煙草を分け合って吸い始め
同じくバイトの専修大生に誘われたけどタイプじゃない方だったので遊びに行かず
横須賀をふらついて白い方の米兵に声をかけられるのを得意がる低能だった
日曜日は、そんな感じ
誰もいない家、家族は皆出払っていて、すっかり春めいた外は青空が毛布の温度で
私は眠くもないのに眠ってしまう いつの間にか白髪まじりになった毛髪は伸びて
肩を越し背中にかかりつつある
誰もいない家、家族は皆死んでしまって、すっかり春めいた外は青空が毛布の温度で
まんじりともせず枕に頭を乗せ、私はもう今日が何日なのかわからない 明るいのに
夜なのだという事だけはわかる
日曜日は、そんな感じだ
現実感がない
10代の頃からずっと自分を弔ってばかり来た
小さな頃から光の輪や雲とばかり遊んでいた
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