詩であり論であるということ/葉leaf
高岡修「屍姦の都市論」(思潮社、二〇〇五年)は、詩であると同時に、「都市論」とあるように論でもある。では、それはどのような意味で論であり、それが同時に詩であることによって何が実現されているか。
1.事実と評価
ここで「事実」とは、感覚(あるいは超感覚)経験をもとに、それを定型的な出来事の枠組みの中へと構成したものである。「評価」とは、事実をもとに、(1)複数の事実の間に関係を見出したり、(2)複数の個別的事実から普遍的な命題を抽き出したり、(3)事実を特定の基準に照らして判断したりすることである。大雑把に言えば、経験から事実が構成され、事実から評価が構成される。事実を「論」と呼ぶこ
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