桜/
佐藤伊織
サラサラと流れていくのだろう
笑い声が影になって風に飛ばされていく
僕がそこにいることを確かめるために、両手を差し出すと
皆がわあっと笑って空中を舞う
そうかここにはもういないのか
もうどこかへいってしまったんだね
皆は空を舞いながらピンク色の空がサラサラと音をたてて
風に飛ばされてどうしても追いかけることもできずに
ただ僕はそこにいるだけで
そうしていつまでも
みていたいんだけれど
それはできないんだね
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