島野律子小感/葉leaf
 
0.紹介

 島野律子の作品は以下のホームページで読める。
「弱拡大」
http://www.aa.cyberhome.ne.jp/〜babahide/index.html
とりあえず、「十年の花」の全文を引用するので、島野がどのような詩人であるか大まかなイメージをつかんでもらいたい。

風の運ぶ湿気に椅子の上のからだはしらしらと腐った匂いを吐く。自分の力で自分を動かしていられた日々なんてあったはずもないのに微笑んで懐かしがる。薄い影の伸びるテーブルに落ちていく砂に湿気は容赦なく張りつき、からだは水の入った袋と同じになる。花は遠くに咲き続ける。あの角の明かりはやさしい。街燈のない道を
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