凝視/あおば
春になると我知らずに
こころが浮き浮きして
いつの間にか停電になっていたのに気づかなかった
日々の暮らしの中にも
冒険と隣り合わせの幸運に助けられて
なにごとも無い気で居たのが油断で
幸運がいつまで続くかは
誰も保証してはおりません
溶けだした雪の面を吹く風が冷やされて
湿った気分を蓄積しては過熱したがる二時電池を冷却するのかもしれない
自然現象を巧みに利用するのがエコだと思ったが
ポイントは付かないと知ると見向きもされないのだから
二次電池は過熱しっぱなしでそのうちに電極が融けるかも知れない
その前に爆発するかもしれない
無料保証期間が過ぎた製品は何時故障するか
運を天に任したような気分で充電スイッチを入れる
無音の間は大丈夫かも知れないと
淡い期待を抱いたまま凝視する
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