ほとんど麻痺をすることで僕は人を愛することが出来る/真島正人
半分以上寝ぼけた君が
また行っちゃうの?
帰ってきてと
つぶやいたような気がする
君は猫のように体を丸めて
ぬくもりを求めている
時間が流動する
体液も流動する
唾液の一つ一つが
君と僕を
隔てている
空は茜色だ
気がつくと夕暮れ、
ということがよくある
やはり時間は
軟体動物の体よりも
柔らかく動く
・
半分以上寝ぼけた君の
体温が伝わりそうで伝わらない
指は柔らかいけれど
肌も柔らかいけれど
僕にはよくわからない
なぜ僕たちは
こうして一つになって眠られるのか
君は僕を愛する
僕
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