冬と冬/
木立 悟
とどろいてゆく
途切れゆく
巨きく弱い指が
つらなりをつまむ
咲いてゆく
ふかみどりを点す
うたをこぼす 遠い
骨の窓
降る夜のはざま
冠の子ら
音だけの雨を
鳴らす手のひら
終わるものたちの長い挨拶
暮れにひらく硬い指
つぼみの巣に吸われ
夜は再びはじまってゆく
荒地を渡り
赤は漲る
双つの足跡 双つの影
空を岩をすぎてゆく
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