花冷えの街/吉岡ペペロ
 
花冷えの雨はやむことがなかった

低い山にガスを這わせて

四分咲きの桜花を辱めて

花冷えの音がやむことはなかった


電車が運んでくれるそのさきに

灰の街が自意識に苛まれている

それを繰り返し嘆こうが、嗚呼


花冷えの雨はやむことがなかった

低い山にガスを這わせて

四分咲きの桜花を辱めて

花冷えの音がやむことはなかった





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