鶏卵のある偶像崇拝/salco
 
窓外の大空に掛かる十字架
朝日を浴びて白く屹立する
それは福音だ

彼は夜闇に生まれた
太陽に焼かれ、荒地に又砂浜に
足跡を残した
それはゴルゴダへ続く

砕かれた四肢から血が伝い落ち
沈黙の苦痛は長々と留まって
灼熱の西日の中で彼は絶命した

割れ落ちた天蓋の上から再びの暗黒が
インクのように垂れ落ちて地を包み
その屍は中空の墓標の上に
放置されてあった

長らく、がくりと項垂れて、
冷え干乾びてそこに掛かっていた
それから屍は下ろされ、
愚者達の嘆きの中、岩穴へ葬られた

ベツレヘムに流星の降りた夜
またへブロンに奇跡の放たれた昼
エルサレムの
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