さようならの宴/オイタル
 
ついて
ひとしきり愚痴を並べ
近視と老眼について意見を述べた
いやだったんだけど

そのあとまた光った高い窓に
ぼくらは いっせいに視線をすべらせた
ぼくらは 同じ意見をいいながら
見えるものが違ってたんだ

店のあちこちに転がった
四角な時間の端々に
たくさんのお料理の名前を指差しながら
(ヌーヴースーエットンユンヌボナペティ)
ぼくらの背後を
マダムが忍び足で通り過ぎていった

やがてぼくらは
本当のさよならをした
首輪のついたヤギのように
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