酔歌 - 7 /****'04/小野 一縷
 
緑青の浮いた青銅の像が喇叭を吹いている
悲嘆の打ち寄せる波辺で

血塗られた大地 血塗られた海洋
血塗られた大空 血塗られた太陽
血塗られた系譜 血塗られた血縁
血塗られた舞踏 血塗られた譜面
血塗られた快楽 血塗られた覚醒

暖かい 美しく映える 赤の温度
温い苦味

酔いの歌 その詩句らが零し続ける
ここに伝承 示される 酔いの歌の系譜

回転してくる原因 肉迫してくる結果

おお 

この眩暈は なんという甘い暖かさだろう
甘美とはこの事だ 

「おまえ 他に何を どんな状態を 
  
 甘美と呼べるか 示してみろ」

図々しく堕落とは あ
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