創書日和【証】立証/大村 浩一
女たち二人が男に言い立てている−−
女1:その言葉があなたのものである証を示しなさい
女2:言葉はあなたのためにあるのではない
女1:あなたが体験したものはあなたが体験したものではない
女2:あなたの言葉が体験したもの
あなたの体験そのものはあなたの中に留まり
決してあなた自身によって誰かに体験されたりはしない
女1:その言葉はあなたのために書かれたのではない
遠くの誰かが誰かに あるいは誰かが自分のために書いた
女2:だから私たちは読まなければならない
私にも分かるものだとして
女1:それが言葉
女2:そこに
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