物語/とわ
 

書きかけの原稿用紙の上
私の物語はまだ完結をしらない

生まれてから今までの数十年間
1分ごと、1秒ごと
事細かに書き足されていく
初めはまだ色褪せていない真っ白な紙からスタートした

だんだんと増えていく紙の数は
私が少しずつ大人へと向かっている証
だんだんと色褪せる白い紙は
私が少しずつ子供を忘れて汚れていく証拠


叶うなら
真っ白な紙のままでいたかった
人を恨む心を知らず
人を傷つける手段を知らない
ずっと笑っていられる
そんな物語を書けていければ良かった



私の物語はまだ終わらない
この先になにがあっても
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