続 蛇つかいたち/吉岡ペペロ
 
くさん飲んだな、飲んだ、飲んだから、

タクシーで部屋に戻り冷蔵庫にあった烏龍茶2リットルを飲んでは吐き飲んでは吐きして鏡に映った真っ赤っかの顔を他人のように見てから寝てしまった

電車のなかでたまたま隣に座っただけのひとにどうしてもカタヤマの話をしたくてしたくてたまらなくなった
ユキオは相手の降りる駅を気にしながら一生懸命カタヤマの話をした
見ず知らずの者どうし、よくしゃべれるもんだし聞いているほうも聞いているほうだった
車窓に巨大な蛇の頭が流れていった
蛇たちは電車を追い抜くこともあれば電車に追い抜かれることもあった
まっすぐまえを向いているのかそういうふうに見えるだけなのか
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