瓶詰地獄/佐藤真夏
 
(発酵したい、)ね ふたり。肌はふやけて溶け出して やさしくこわれてゆくからだ

蜂の巣に成り変わってく脳みそがしとしとばらまく蜜と毒針

ぼくたちは目蓋に守られ息をする微弱いいのち せっくすしよう

点と点は繋がれても点のまま、泳げば線は切れるのでした(だから見ていて)

向かい合い交換していく互いの時間 肌を乾かす線香の香

ぴりぴりとうねる切なさ 内側に放つ冷気が心細い だめ

温室の鍵はこのまま開けておく 本能がキミを守ろうとする


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