蛇つかいたち/吉岡ペペロ
 
長とおいしいとこしか顔をださない役員さんのしたでさ、

信じてる先輩がいるんで、心の支えというか、それはカタヤマのことだった

きみは何年目なの、

来月で二年目になります、

えっ、そうなの、いくつ、ふてぶてしいから五六年目かそれ以上かなと思ってた、

ユキオが歳を言うと、うちの息子とおなじだな、じゃあまたな、シバタさんが席を立った
ユキオも一礼をして調達室をでた

もう新緑ではない影をまといはじめた木々のしたを営業車をとめているところまで歩いた
ポンプメーカーに走った日、ここは満開の桜花であったはずだ
なのにそれをユキオは思い出せなかった
歩道と車道の段差にひか
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