空気なんだ掴めない/番田
体の中に呼んでいるみたいに
手にさせられることの意味が 何かですらもない
手に確かだった 何にも無い 魚すらいない
夢を言葉もなく舗装された今は見ていたのだろうかと
川を見つめる 平たくもされている その護岸工事で
波としての赤や青や道の上を見つめている
白の波を立って ぼんやりとさせられた呼吸が
そこにいくつか押し寄せている 何にもない呼吸が続いていた
誰としても呼ぶこともない 手はなんにもしなくていいと
海の見つめていた 向こうを立たされてすらいた
戻る 編 削 Point(1)