唯有引力/
青井とり
最後はいつも疑問形。
「何が好きなの?」
「何が嫌いなの?」
途切れるのが怖いから、
ケーキをちびちび食べる子供の様に、
話題を小出しにして。
馬鹿みたい。
0を1にしてしまうから、
苦しくなるっていうのに。
期待なんか、するな。
希望なんか、抱くな。
何度となく言い聞かせた癖に、
また画面を見つめてる。
林檎は敢えて落ちたんだ。
痛み、腐ると理解っていて。
だって重力は、こんなにも抗い難い。
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