さよならブルース/青井とり
 
朝。
春のさえずりに、
青い欲望が目を覚ます。
風に誘われるまま、
ベッドから這い出して。

左足にスニーカー。
右耳にイヤホン。
3分足らずのポップ・ソングが僕を急かす。
「分かってるさ」
だって、もうおしまいなんだもの。


段ボール箱を蹴飛ばして、
扉をめくって、
外へ飛び出したら、
君の背中が見えたよ。


(ああ、行くんだね。)


切り離された世界。
途切れたポップ・ソング。


手を振ったんだ。
手を振ったんだ。
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