あの日の夜/
ナガシー
海風が肌を強くたたく
君の手は真っ白で震えていた
僕は君の手を取り
君は照れながらも僕を見る
僕より背がチョト低い君
視線をまっすぐにして
交わる手に息を吹きかけた
息は白く目に見えるが
二人の手は
息を吹きかけるだけ
温かくなる
そして君は僕に
僕は君に
体ではなく
心に温かい息をかけ合った
白い息は冬空の彼方へ消えていった
戻る
編
削
Point
(1)