あの日の夜/ナガシー
 
海風が肌を強くたたく
君の手は真っ白で震えていた
僕は君の手を取り
君は照れながらも僕を見る

僕より背がチョト低い君
視線をまっすぐにして
交わる手に息を吹きかけた
息は白く目に見えるが

二人の手は
息を吹きかけるだけ
温かくなる

そして君は僕に
僕は君に
体ではなく
心に温かい息をかけ合った

白い息は冬空の彼方へ消えていった
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