蛇と銀河/吉岡ペペロ
差し出がましいことを言うようで申し訳ないんですが、片山先生は素晴らしい方だと思います、
上田くん、嬉しいことを言ってくれるなあ、ほんとにいい男なんだよ、でも短気でな、正義感のかたまりだよ、よくぶつかってるよ、会社がこんな状態だから、やめるやつはやめたらいいと思っていてね、彼にはほんとうに頑張って貰ってるよ、
社長こそ蛇つかいなのではないか、
桜の花びらの付いたカタヤマの背中を思い出した
カタヤマが会社にはじめて来た日、朝礼のあとカタヤマや幹部の社員たちが3階にあがってゆくその先頭には社長がいた
ユキオは珈琲をひとくち飲んでカップを見つめた
珈琲のおもてには光がゆらめいていた
それが蛇行する河のようにも銀河のようにも見えた
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