夜ごと零時零弐分の女声獨唱歌 新宿※こすり/salco
女の腹が真珠(たま)孕み 男の腹に指が這ふ
愛ほしいひと、今宵貴方を離さない
貴方をわたしに誘ひたい
迸る極楽浄土を黄金で編んだ煉獄に
火と蛇で撚つた鎖で繋ぎたい
男の胸に日が昇り 女の胸に月が出る
いとほしいひと、あした貴方を忘れたい
貴方を犬に食はせたい
嵌合の不実で花園蹴散らし逃げてつた
後ろ髪掴んで刺して食はせたい
林檎の中に棲む毛虫 白い肉を食んでゐる
砂食む音が耳の中、眼窩の中でこだまする
カラスがわたしの痴宮突く
幾つ寝るとお正月 うぢ虫泪の餓鬼が泣く
風上に匂ふ仕合せ赦すまじ
股倉開いて歌ひます 五度音程で歌ひます
悲噴慷慨怨恨嫉妬 未
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