君がここにいてほしい/薬指
 
野良猫がなにかを待っている駐車場
壊れた街灯がまばたきしている路地
さびしげな風が吹いて扉が閉まる
いつもこんなふうに僕は
君の影を追ってばかりいるわけじゃない
冷たい窓ガラスに当てた指先
眠れない午前二時
いま会いたい
君がここにいてほしい


昔なじみの友達と
お互いの暮らしを話し合ったんだ
いろんなものを取り上げられて
吸い込む空気が薄くなった気がする
いくら商売熱心になっても手に入るのは
ほんのちっぽけなものばかり
でもそんなことは気にしていない
問題は君がいまどこで
なにを待っているか
僕にはわからないってことだから
いま会いたい
君がここにい
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