夥しい静寂の / ****'02/小野 一縷
手を叩いて
合図しろ
手を叩け
手を叩け
手を叩いて 生むんだ
手を叩いて 行くんだ
音を
その圧力を 追い駆けて
もっと
叫べ
声を 言葉よりも ありのままの 響きを
ああ なのに また
狭く締め付ける 溢れかえる 余分な共鳴が
そう 円を舞いながら
それも ほら
その中真 濡れた 神経繊維を手繰る
両目と両耳を覆い 口を塞ぐ
おさまらない 吐き気のような
この 祈り
粉々に 散った時間が
収束するまで 口から 零れ続ける
忌々しい 戯言だ これは
沈黙に 等しい温度で
止まない 眩みに 紛れ込み
錯乱する静寂よ 灼熱の静穏よ
我が徒刑の果てに 刻まれた おまえ達 冷酷な秒数で
今 再び 時間を紡げ
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