冷たい血が俺を生かしている/ホロウ・シカエルボク
のだ
その日の中に記すべき何かがあったと
信じたくて仕方のない誰かがダイアリーの売り上げに貢献してる
夢の中で俺はターバンを巻いてひとこぶのラクダにまたがり
世界の終わりみたいな砂漠の上を彷徨っていた
最高温度に設定したハロゲンヒーターを
周囲に百個並べたみたいな太陽が照りつけていて
ラクダがひとつ歩を進めるたびに
俺は呪詛の文句をカラカラのくちびるから吐き捨てていた
夢の中で何を探しているのかよく判らなかった
夢の中の俺はどうしても
何かを欲しがっているようには見えなかったのだ
明方にいつも小便がしたくなって目が覚める
そしてそ
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