かぜぐるま/しべ
あんなに強い西日なのに
青空がしろい
硝子の影が枯れ枝をくわえて
排ガスにはたかれた欠片が歩道に転がる
少しずつ少しずつ
細いものから音も色もころしてゆく
風は大きく旋回している
半透明の蛍光灯が浮かぶ
三つ編みで小ぶりな
ベンジャミンが佇むため
音が生る
玩具箱のふちの冷たさ
しまい込んでた旗の
ざらざらとにおい
一つも失ってはいないものだ
苦い薄紅の夕日が
墓地の背中に落ちてゆく
遠くで電飾が時を刻んでゆく
青空が しろい
空がしろいよね
成田に向かう飛行機が
罫線のかなたに滲んでいる
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