羊雲/蒲生万寿
「踊れ」
不格好にも手と足を振り回す
「物足りぬ 踊り狂え」
頭を振りかざしさらに激しく身を捩る
「炎にならなければ、お前には嘘がある」
全身から脂が零れ落ち
その一粒が真珠の子を孕む
俺は炎となり自らを焼き尽くす
星の一つ一つを指さし
「いつかお前らを喰う時が来る」
火の粉と共に言い放ち俺は踊る
東に日を呼び戻すまで踊り続ける
暁が炎を奪って大地へと捨て去り
そうして地上の生命にむさぼられ
緑と水が作られる
金色の鷹が夜を引き連れ西へと去りゆく
俺は見ていた
朝日に照らされた羊の群れが
雲となって流れてゆくのを
戻る 編 削 Point(1)