羊雲/蒲生万寿
 


「踊れ」

不格好にも手と足を振り回す

「物足りぬ 踊り狂え」

頭を振りかざしさらに激しく身を捩る

「炎にならなければ、お前には嘘がある」

全身から脂が零れ落ち

その一粒が真珠の子を孕む

俺は炎となり自らを焼き尽くす

星の一つ一つを指さし

「いつかお前らを喰う時が来る」

火の粉と共に言い放ち俺は踊る

東に日を呼び戻すまで踊り続ける

暁が炎を奪って大地へと捨て去り

そうして地上の生命にむさぼられ

緑と水が作られる

金色の鷹が夜を引き連れ西へと去りゆく

俺は見ていた

朝日に照らされた羊の群れが

雲となって流れてゆくのを

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