道は急速に右へとカーブし/
オイタル
し
無数の目が見つめる広場の隅で
ぼくと彼女は黙ったまま
幾千の花びらが次々
身を闇へ沈めていく
四人の子供が
平らな石の上に つめ草を飾る
そうしてぼくの恋した彼女は
髪を短く切りそろえ
男の子を一人生んで
ぼくの見知らぬ文字を
その名に刻んだ
道がもう一度右にカーブし
灯が
オレンジに粉雪を砕くそのあたり
ぼくは老いて
髪の黒い女の子に再びめぐり合い
そして深々とお辞儀をする
深々と
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