諷狂 / ****'01/小野 一縷
 
耳穴から吸い出され 後頭部へと靡く


目を閉じて 見る
大量に涙腺から流入する 景色の混じり合いが
溢れかえって 歓喜に溺れている 油ぎった色の小脳


乗っている 
五感はどこまで移動に蕩けるか
膨張した感覚と微分された現実の距離を縮め


追っている
交じり合った原色を細分化して捕らえ 修正し導き出し 
両側面に流れ出る 記憶の末尾を彩るため 


何時まで見つめていられるか
眉間とこめかみを結んだ 揺れ動く三角形の正確な重心 
何処までも 浮いたまま 
殺風景を求める公式を追いかける左脳を追い詰める


闇雲に あらゆる吸気と あらゆる排気の
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