馬銜(はみ)/……とある蛙
 
られて列が一人分つまるだけである。

皆一様に馬銜(はみ)を噛まされている
馬銜(はみ)を噛まされた人間共の一人が
自分だったことに気づいて
すこし驚いたが、今更後悔する気もなく
そのままの道を歩いてゆく

噛まされた馬銜(はみ)のため
僕の笑いが歪んでいる
全ての人間の笑いが歪んでいる。
それが馬銜(はみ)と今歩くことの苦しさによるものだけではないことを

みんな知っている。


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