Be Happy/salco
て些末な、乾いていて柔らかい、つまり軟骨だ
それで時々、音の方向へぴくりと動く
それでも猫はじっとしているものだ
大儀なのだろうし眠いのだろう、つまり安寧に比重を置いている。
幸せは、恋愛とか美食とか勝利とか、そんな動的なものではないのよ
自分にそっと微笑む、この侘しさも人生の指標なのだ。
路上の泥酔者がおのれの吐いたゲロで息絶える
これも羨望すべき嘉福だ
なぜならその時、夜空は空しくないだろう
こうして死でさえ夢見に内包され得るのだ
だから感情の起伏や状況の浮沈で自らを貶める必要はない。
そんな小さな尺度の下で我々は生きてはいない
なぜなら既に10万年とちょっと、生きて来たのだ
無心の中に幸せの風はいつでも吹いている
往々にして一過的にしか感じ取れないにせよ、これは
使い切れない貯金のようなものだ
ならば数えよ、濫費せよ。
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