創書日和「証」  ミルクティーの似合う女(ひと)/逢坂桜
 

友人との待ち合わせは、いつもの喫茶店だった。

呼び出されたのは久しぶり。

この1年、電話やメールばかりで、顔を合わせることはなかった。

先に着いたので、入り口の見える位置に座って、ココアをオーダー。

「待ち合わせなので、後からもう一人、来ます」
「かしこまりました」

友人はいつもどおり、5分遅れて来た。

「ごめんごめん。出掛けに電話が入っちゃって」
「相変わらずねぇ。そろそろ直したら?」

皮肉ではないけど、あたしの挨拶に苦笑して、
ミルクティーをオーダーした。

「いきなり呼び出して、ごめんね」
「だったら、待ち合わせどおりに来てほしかった
[次のページ]
戻る   Point(4)