アルカディアユートピア/ブライアン
に、日の出のために沈む太陽の光が触れる。
日没する光が壁に反響し、眼差しに出会う。
此処ではない、何処かに旅立った、30年前の住民が、何処でもない、此処にたどり着く。
根は微かにはっている。
感傷的な雨によってもたらされた、僅かな泥の中に。反響を繰り返す、光に育まれ。
そして、脆い根は直ぐに引き抜かれ、大量の雨に流される。ノスタルジア。
けれど、母国は変わらない。日本語で歌われる歌、重力に耐えかねた家。朽ちていく命。
我々のアルカディア!
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