アルカディアユートピア/ブライアン
 
感情が、とても繊細になる時がある。たぶん、季節の変わり目にだと思う。空気に反射する光の違いが、如実に表れる。
視覚と聴覚は遠隔的に、外部の環境を内部に受け入れる。蚤ほどの身一点が、視覚と聴覚を通じて、外部の世界へと拡張し、同時に、外部の世界から、蚤ほどの身一点へと収縮する。
投げかけた眼差しが、外部の世界に触れ、反射して戻って来るとき、季節の変わり目は、自分自身の変化にも気付かせる。
些細なことだ。お酒が弱くなったとか、ご飯が食べれなくなったとか。ただ、それらの変化に気づくと、今まで見過ごしていた変化にも気付く。
諸行無常、盛者必衰、行く川の流れは絶えずして、だ。
そうやって、変化は衰退
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