きみに届くように/あぐり
{引用=
声高に
きみに言おうか
あいしてるって
それからすごく、痛いんだって
夢の底ではいつも誰かがわらっていた
ふつり、と水泡がわたしの口から漏れていくのだけれども
ここからはそれが浮かぶであろう水面は見えません
小さくまるまって
誰かがわたしを責めるのを待ってる
金魚草に絡む指を
眺めるだけの眼差しで
今朝もきみをみつめていたんだろうか
わたしの眼はちゃんと
きみにぬくもりをあたえられているんだろうか
わらっているんだろうか
あいせているんだろうか
(怖い、怖いよ)
冷え切ったからださえも
きみのかなしみには及ばないんだろう
わたし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)