コーヒー/番田
何にもなかった
声が聞こえた気がした
最寄り駅で
携帯プレーヤーを 指先で
鳴らしながら サウンドで
家に帰る あいまに
母の夢を見ていた 水に
そういうこともできるんだと
女子高生が ささやく
寄りそう 釣り
宣伝に おでこを
ぶつけながら歩く
父と会うまで そこらへん
暇つぶしをしようと 思
わされながら ドトールの
苦いコーヒーを 飲
めなかった 二人
から会話を ぼんやり
聞いている兄の
処遇に考えを巡らす
母はそこにやってきて
借金をどうする この先
どうすればいいかを ぼく
から尋ねられていて
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