常磐線/番田 
 
この街には
将来を肯定する夕暮れと
手をつないでいくみたいに
思いながら
もう春なのかも知れないと
常磐線の思い出と言えるものはないけれど
色彩が見えなくなるくらいに、
涙に
そこには友達がいるみたいだった

川があって
日のきしみに
時が流す
木の葉の色を見つめて
いつかここでタニシをとったなと
どこまでも景色は続いていく
こぼれ落ちていく

誰かが坂道を降りていく
ただ僕が君を抱いたこの街に
去った日々はなく
秋を思う学生は
アスファルトを漂っていた

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