蛇がゆく/吉岡ペペロ
なくなると思えよ、
納期トラブルを起こしているのは製品に組み付けるパーツとして一年に一、二度発注のあるポンプだった
今回の発注台数は7台だった
五十万ぐらいのものではあったが売上半年で倍を掲げている以上失っていい商権などあるはずがなかった
ユキオは虚ろに席を立ちシバタさんに、ありがとうございました、と一礼して調達室を後にした
えらいことになってしまった、
社長の顔が浮かんだ
カタヤマやイケダにも申し訳なかった
ツジさんがなんだかかわいそうに思えた
それよりも悔しさや不快感で胸が息がこわばった
ありがとうございましたってなんだ、オレは何をやってるんだ、いまからシバ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)