ペンギンの光/楽恵
 
鉄道都市にある高層ビルディングのてっぺんにて
皇帝ペンギンが一羽
光ったり消えたりしている。
(蛍みたいだ)
西方から見るといくぶん寂しげな東の巨人のなかで
光る皇帝ペンギンは真夜中の迷える船にとっての灯台のような存在だと私は思う。
南極に生息するはずの皇帝ペンギンが
どのような環境変化が原因でこの都会に移動してきたのか
そしてなぜ発光体となったのか
詳しい事は知らない。
(失恋かな)
(・・・ペンギンも恋するの?)
雨の日になると、皇帝ペンギンの青白い発光は少し弱まる。
満員電車に揺られながら
私は光る皇帝ペンギンが雨に濡れてないかどうか気にしている。
自分の傘から
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