イザナミ/……とある蛙
 

迦具土神(カグツチ)産みて病重く
この世を去ったイザナミは
出雲と伯耆の間 比婆の山に葬られ

黄泉の比良坂イザナギが
あきらめきれずに
逢い求め

拒絶されてつのる思い
灯りをともして見る過ちに
「うじ たかれ ころろきて」
書紀には 膿が流れ、蛆がわく。
驚き逃げる 男の勝手

逃げるイザナギ 追うイザナミ
あらゆるものを打ち捨てて
逃げるイザナギ
十拳(とつか)の剣を引き抜きて
やっとの思いで 葦原中ツ国に

事戸(ことど)を度(わた)す※

人草一〇〇〇を絞(くび)り殺し
の呪い
一五〇〇の産屋(うぶや)を立てる


そのまま国は人の世に

それが祟って つい最近
イザナミの呪いか
人草どんどん減るばかり

イザナギは惚けてしまったか
産屋の数が足りなくなり、
はたして国は続くのか

  ※絶縁の宣言

  
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