病にロック(remix)/nm6
 
駅前にすべり込む黒塗りのクラウンに太陽光。降りてくる半起ちの牛若丸に「クソ暑い」と吐き捨てて夜を待てば、彼女は得意げにチャイナドレスを着て「誕生日のプレゼントだ」と言い張る。ああやりきれない。「バロックすぎて感じないんだけど」とぼく。彼女は「あなたにはわからないの?」とほざく。こんなご時世に祈っても無駄だ。でっち上げた前向きで口内炎の苦い朝朱。ニュー。ひとりの病は街に溶けて、消えても何度でも生まれ変わるんだ。

夜な夜なしいたけのように夢を狩る君の迷彩服の模様を目でなぞっている。ゆるいカーブ、すこしきつい反対のカーブ、そして旋回。行きつ戻りつを繰り返すので、人生に岐路なんてない。地蔵から饅頭を
[次のページ]
戻る   Point(12)