雪2/番田 
 
雪の道をいつまでも立ちつくしていた
長い道は果てしなく 部屋のドアを
しかし 立たされていた
僕の 夜のひとりぼっちの 誰かの手紙だった

書くためだった ペンとして 捨てた
ひとりとして 存在を捨てた 僕の
僕を感じさせられた そして
歩き慣れた人は 夜を果てしなく歩いていく

高さがある長靴を履かされた すれ違う人は
立ちつくす 僕は テレビ番組の
闇の光に 角の向こうの 雪の道を
歩いてきた 闇の中だった 人が感覚した

ぽつりと立たされた 真っ赤な色のポストとも
離ればなれにされた 僕に
そして ブレーキを踏むことはない 僕は
生きているような気がする

微かな足跡を残したまま
光の色がポストを目指して道に続いていた
閉ざされた目の 僕が目に凝視した
目を終わった影が 忘れた

死んだ親族たちとの目を思い浮かべる
寂しげな過去に目だったのだろう 長靴の目の水の
車たちは 不快にしみこまされたのだろう
すべては 世界の足なのだと 歩かさせられていた

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