どどどどどど/大村 浩一
ヒトはなんである種のコトについて、自分で失敗するまで学ばないのであろ
うか。他人の失敗は笑うクセに。
大した事ではない。蛇口のことである。
小学校の頃。今は亡き親父が、風呂釜のガス管を、ねじれないように二股の
別の口に付け直した。なのにそれをよく分からない母が大気圧開放のほうのコ
ックを開けて点火してしまい、風呂釜のある台所の土間から、トツジョ高さ2
メートルほどの火柱が「どぉ〜〜」と噴き上がるという椿事が起きた。
「ア〜レ〜、これどーなってるのおおお」(原文のまま)
と絶叫する母に、どどどと駆けつけた親父が冷静にコックを閉じて事なきを
得た。
就職2年目の頃
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