アルミニウムのインゴット/
竜門勇気
かったけど
今からあちこちに謝辞を述べるのもうんざりだ
ねえ
あの時計は
時を刻む事にうんざりしてるのかな
ねえ
財布の中のアルミニウムは放浪に疲れてるのかな
靴の中の指は
今も自由に動くよ
バカがくれた自由だって
知ってもまだ
靴の上の僕は
どこにでもいくよ
せいぜいたかが知れてる
あちこちだってでも
傷すら付かない
こんなとこよりはマシだもんな
猫背とアルミニウムを連れて
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