イライラは3月の・・・/うめバア
 
のにどうして
ツメのささくれを引っ張って
軽く膨れる血の玉を
もう、何分も見つめているの

何でもない、あのときの、あの目は別に
憎しみではない。
なのに、思い返せば
黒い煙がわき上がる
どうして? なぜ?

傷つけた、とか傷ついたとか
そんな、感傷的なものじゃなく
何の損傷もなく見せかけた
ただの日常の幾つものさざ波に

きょうも、気がつかない振りして
単純作業に没頭しよう

仕事も、家庭も、みんな
私は私、人は人

春の光が眩しくて
ガラス窓から入る陽はこんなにも穏やか

でも

私の心はざわめき立つ
その軽すぎる虚無感に
ますます居心地が悪くなる





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