蛇の宴/吉岡ペペロ
永遠に終わらないかと思われるラリーも必ず終わる、こいつに勝ちたいという気持ちを圧倒的にかき集められたら、実力差がなくても連戦連勝できる、そんなことを思い出していた
カタヤマの人間ギライはユキオにも共感できるものがあった
朝マンションのエレベータを使わずに階段で降りることの方が多いですから、
エレベータで住人といっしょになるのが嫌なんですよ、
玄関を出て廊下にひとの気配がしたら玄関に入りなおします、
ツジさんもユキオも声をたてて笑った
こんなにひとの話しで笑うのはいつぶりだろう
さすが、蛇つかいだな、ユキオはなぜか何かの瞬間に立ち会っているような気がした
ひとは誰もが蛇だとしたら、ひとは誰もが、蛇だとしたら、そんな思考がぐるぐると回った
カタヤマが支払いをしようとしたのでツジさんが、きょうは社長が、と言って支払いを済ませた
そとは風が舞っていた
さっきの思考がまだ呪文のように回っていた
帰ったらネットで蛇について調べてみようと思った
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