走馬灯の夢 /服部 剛
 
がえのない人々の面影を両手に包む・・・ 


晴れた日の神社の鳥居の下 
両親の間の日なたに立った、あの日の少年。 

星降る夜の公園のベンチで 
愛するひとと肩を並べた、あの日の青年。 

桜舞い散る街路樹の、隙間の空に 
旅立つ友を見送りながら 
悔しさに拳を握った、あの日から・・・ 

ひとすじの道はいつか光の矢となり 
終着地の扉へ、吸い込まれる。 


走馬灯の夢々の浮かぶ 
宇宙の銀河に、漂いながら 
〇歳の魂に孵化する、その日迄。 







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