走馬灯の夢 /
服部 剛
がえのない人々の面影を両手に包む・・・
晴れた日の神社の鳥居の下
両親の間の日なたに立った、あの日の少年。
星降る夜の公園のベンチで
愛するひとと肩を並べた、あの日の青年。
桜舞い散る街路樹の、隙間の空に
旅立つ友を見送りながら
悔しさに拳を握った、あの日から・・・
ひとすじの道はいつか光の矢となり
終着地の扉へ、吸い込まれる。
走馬灯の夢々の浮かぶ
宇宙の銀河に、漂いながら
〇歳の魂に孵化する、その日迄。
戻る
編
削
Point
(3)